大人の学は道の為なり、小人学は利の為なり。
最近の日本は、基礎研究に力を入れなくても良いような風潮です。
数年前の文学部廃止論も、まさに実利に関係しない学問は必要ないと産業界の圧力に、文科省が負けた結果です。
学問が、実利だけを追うようになったら、その学問はどんどん衰退していってしまう。
それは、真理を追究することがなくなるので、論理的説明が精緻化しないし、見えなかったものが見えるようにはならないからです。
学問は、真理よりも実利だということになれば、今ある論理を現実に応用し、お金になるかならないかで、論理を広げるか、捨てるかを決定する。
たとえ、真理であっても、現実に利益をもたらさないものは、切り捨てられていく。
のちのち、どういう発見があるかは想像つかないのに、現世だけの物差しで研究するかどうかを決定してしまうのです。
基礎研究も得体の知れない人文系研究も共に、人間や宇宙の本質に近づく一歩です。
この一歩を無駄なものだとして切り捨ててしまうようでは、学問は発展しない。
今見えているものだけを問題にしてはいけない。
未来のものは、見えないのです。
学問は今を問題にしているのではない。
未来を問題にしているのです。
だから、今、問題が学問によって解決されるのです。 ☆ (T.Koga)長崎市の三山不動産