命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るものだ。
此の仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業はなし得られぬ。
明治維新という大偉業を成し遂げた薩摩藩、長州藩、そして土佐藩の青年たちは、正に自分を投げ打って、大きな志に燃えて、事を行ったのだろう。
しかし、西郷も言うように、ここまで徹底していた人間は、そうそういなかったのも事実だ。
だからこそ、組む相手を吟味し、信頼のおける人間=始末に困る人間と行動を起こし、色々な困難を突破していったのです。
その一人が、大久保利通や坂本龍馬や桂小五郎だったのだろう。
私たちが考えなければならないのは、前述のスタンスの人間をどう見分けて、組んでいくかということです。
無私の人間、それこそ、ミッションに殉じる人間とどう組めるか、そのことをしっかり考え、相手を吟味することです。
それこそ、自分がまずこのようなスタンスにならないと見分けることが出来ないかもしれないが。
仕末に困る人間こそ、西郷だったのではないか。
その西郷が、最後には、明治政府から仕末に困られて、敵対してしまうのです。
なんと人生は難しいことか。
この教訓も私たちは、忘れてはいけない。 ☆(Koga)