人間の文化というのは日常性と非日常性との二律背反、矛盾で成り立っているもの。
文化は、何かと何かを分ける働きをする。
時間を日常と非日常に分け、状況をコスモス(秩序)とカオス(混沌)に分け、人間を男と女に分ける。
だから、いつも矛盾を孕んでいるものとして文化は存在するのです。
この矛盾の中で人間は生きることになる。
だから、問題が生まれ、生き難さが生まれ、葛藤が生まれるのだが、それでも自然界にいるよりも圧倒的に安楽な生活環境なのです。
動物性を発動しなくても文化の中では生きられるからだ。
この文化を人間は、もっと深く考えた方が良い。
文化遺産の問題ではない。生きる場としての文化を考えるべきです。
そうしないとどんどん文化が衰退し、機械的になり、矛盾のない世界になってしまいかねない。
そうなれば、豊かな時間空間は、なくなってしまうだろう。
矛盾のある世界ほど、豊かなものはない。
文化を大切にするということは、なんでもかんでも理性が割り切ってしまうようなものではないのです。 ☆ (T.Koga)長崎市の三山不動産