失敗したことがない人間というのは、新しいことに挑戦したことのない人間です。
成功者になるためではなく、価値のある者になるために、努力しなければならない。
日本の官僚組織は、非常に優秀だった。
多分、どこの国よりも優秀だったのではないだろうか。
しかし、ある時から、政治家の無知と国民の嫉妬心のために、彼らの評価がどんどん下がり、そして、彼らの士気も下がり、ノブレスオブリージュ(注)も消え失せてしまった。日本の行政は、悲しいかな、政治家の質と同質になってしまったのです。
今年に入って、官僚が政治に全て支配されてしまっているのがはっきりした。
財務官僚の総理に対する民主主義を超えた忖度、元首長秘書官の偽証のような態度、公僕としてのプライドを捨て、私欲の塊として判断し行動してしまった。
まさに、「失敗したことがない人間」が、窮地に立たされたのです。
彼らは、成功者として官僚の道を歩もうとしたのです。
特定の個人のために、価値ある人間になろうとしたのです。
官僚が、公僕として価値を全うする時、この国は、以前のようなしっかりした国になっていくだろう。
失敗をすることがいけないことではなく、その失敗を失敗として認めないことが罪なのです。
そして、その態度が自分の価値を貶めていくことになるのです。
特定の個人のためではなく、日本や世界という社会のための価値ある人間を目指すことです。
(注)「ノブレスオブリージュ」…身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという欧米社会における基本的な道徳観。 ☆ (T.Koga)長崎市の三山不動産