我々は虹を見ても、未開人が抱くような敬虔な気持ちを持つことがない。
なぜならば、虹がどうしてできるのかを知っているからです。
我々はそうしたものを詮索することによって獲得したのと、同じだけのものを失っている。
私たち人間の進歩は、いつでも両義的なものを生み出してきた。
便利になればなるほど、人間の何かが失われてきたのです。
医療が発達すればするほど数多の病気が生まれ、交通が便利になるほど人間の肉体は衰え、交通事故による死者が増えた。
人類史は、いつでも何かを得て、何かを失ってきた。
重要なのは、人間の精神にとって、指摘している点です。
自然に対する畏敬の念が自然の原理を解明すればするほど、どんどん失われていったという指摘です。
それによって、人間は、どんどん滅亡へと進んでいるかもしれないのです。
私たちは、自然をはみ出しすぎては、生きてはいけないものです。
その自覚をしっかり持つことです。
どんどん進歩していったその先に、何が待っているのか。
大分見えてきたのではないだろうか。
制限をどこにかけるのか、私たちの理性が問われている。 ☆(Koga)