この学校に限らず、他のどの学校においても、学校だけで皆さんの行く手にあるものに、対処できる力を完全につけてあげることはできません。
津田梅子は、津田塾大学を作って、女子教育を世に広めた人物だが、その彼女をして、学校教育の限界をしっかり自覚していた。
流石としか言いようがない。
学校で、習うこと、学ぶこと、教えてもらうこと、自分で考えることは、社会に出ていくための、練習でしかない。
本番のための練習なのだから、学校で全てが完結してしまうことはない。
つまり、学校は、訓練の場であって、それ以上でもそれ以下でもない。
だから、教科の勉強が出来ても、それで、その人間の社会的能力が決まるわけではない。
練習が上手く行ったというだけです。
だから、最近の教育にまつわる議論は、非常に危ういのです。
学校教育を変えれば、社会が何とか変わっていくと思っている。
しかし、学校教育は、そういうものではないのです。
社会の再生産装置として学校が機能する以上、社会が先に徐々に変わっていって、そのあとにしか、学校がついてこないのです。
教育の中身だけで、人間が変わることはない。
私たちは、教育を考える時に、社会、国家、文明、歴史、人間存在というように、広い視点から考えたい。学校が完結するような機能を持っていないのだから。 ☆ (T.Koga）長崎市の三山不動産
