手段は完全になったというのに、肝心の目的がよくわからなくなったというのが、この時代の特徴といえるでしょう。
テクノロジーが発達し、人間は、その昔望んでいたことのほとんどが、手に入るようになった。
ロボットが人間との会話の相手になるし、遠くに行くためには飛行機や自動車が、人間を運んでくれるようになった。
便利な世の中になった。
しかし、その分何のために生きるのかとか、何で文明の犠牲にならなくてはならないのかという問題が出てきた。
生きている意味を、見出せない人々は心身症的問題をかかえ、文明の犠牲になっている人々は、自分の土地を追われたり、身体に異常をきたしたりと人間の尊厳にかかわる問題に直面している。
便利になった分だけ、その便利が何かを奪って、人間を生き辛くしているのです。
文明的な手段はより良くなったけれど、実はその手段を何に使うか分からなくしてしまった。
手段の完成度が高まれば高まるほど、私たちの生から手段がかけ離れてしまったのかもしれない。
人間が入り込む余地がどんどんなくなっていけば、手段は、目的になってしまうかもしれない。 ☆ (T.Koga)長崎市の三山不動産