私は悲劇を愛します。
悲劇の底にはなにかしら美しいものがあるからこそ悲劇を愛するのです。
悲しみは、どんなところにも転がっている。
しかし、その悲しみを振り返る人はなかなかいない。
それは、悲しみが、苦しみになってしまうからです。
悲劇を愛するのは、実は、悲しみのあとの苦しみを味わうことがないからです。
悲しみの底には美しさがあるのだが、現実として悲しみを受け止めてしまえば、美しさと共に苦しみさえもやってきて、自分を打ちのめしてしまうかもしれない。
悲しみを捉えるのと、我々が現実として悲しみを捉えるのを区別するべきなのです。
私たちは、悲しみの基に美しさがあることも、苦しさがあることも、ともに知っている。
だからこそ、悲しみをしっかり味わうべきです。
自分のこととして、悲しさを受け止めることです。
その時、私たちは人生の悲劇から救われていくことになるはずです。 ☆(Koga)